シュワブの手数料無料ETFをきっかけに考える、欧州と米国のETF市場の違い
【9日 Seeking Alpha】私は、シュワブがローンチしたETFを過小評価していた。シュワブには自社の豊富な顧客基盤を自社の新ETFに固めて、より高い頻度で売買させようという明確なビジネス戦略があるようだ。
シュワブのETFが登場したことで、欧州の人間である私は、米国のETF業界の発展を羨望のまなざしで見つめている。
米国のETF市場は、流動性が高く、約定が速やかで、指値注文も空売りも簡単に出来る。そのため、最小限のコストで自分の小型ヘッジファンドを運用するようなことが可能だ。欧州でもETF市場は発展を続けている、米国の水準には遠く及ばないかのように思われる。
私が数ヶ月前に英国におけるETFの売買手数料に関する調査を行ったところ、現在、(特別な契約条件でない限り)1回の売買に対し10ポンド近い手数料を課している業者が多かった(ただ、シュワブの水準には遠く及ばないものの、証券会社の手数料はこの数年で大きく下落してきている)。
しかし、売買手数料以外にも、欧州の市場には問題が残されている。それは、マーケットメーカーが介在しているということだ。
idealing.com や Interactive Brokers を除けば、英国の証券会社でロンドン証券取引所(LSE)に直接注文を取り次いでいる業者はいない。つまり、通常はマーケットメーカーのネットワークにおけるベストプライスで約定しているということだ。ダイレクト・マーケット・アクセス(DMA)方式でなければ、LSEのオーダーブックに直接アクセスすることは出来ない。
マーケットメーカーが証券会社に提示する売買レートは、LSEのオーダーブックに載っている注文を反映したものである。しかし、指値注文を使いたい場合は、業者がDMAを提供していなければ、あなたの注文は市場に出されないのだ。
つまり、注文の執行がマーケットメーカーの都合に左右されてしまい、売買のチャンスが大きく損なわれるという状況が生まれている。
英国の個人投資家が流動性の劣る市場で取引しなければならないというのは、私にとって不思議なことだが、大半の市場ではこの方法で取引されている。
これに対し米国では、全ての注文が一元化された電子的売買ネットワークに繋がれ、個人投資家も機関投資家も同じように高い流動性を享受することができる。私見ではあるが、こちらのシステムの方が効率的なのではないだろうか。
これに加えて、欧州では二重上場や通貨クラスの問題があり、これがとりわけ個人投資家に影響を与えている。この点でも、欧州の個人投資家は米国に比べて不利な状況にあるということが明らかだ。
私は楽観主義者だ。競争と透明性が高まれば、いずれは欧州の環境も改善され、マーケットメーカーを介在させた市場の非効率性も解消されるのではないだろうか。
それにしても、世界最大のETF市場である米国において業界の推進役が現れるというのは喜ばしいことだ。シュワブの業界参入を喜んで迎えたい。
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日々、拡大を続けるETF市場。ETFの本場である米国では、コモディティからショート型ETFまで、じつに700本以上のETFが上場されています。バラエティ豊かなETFは、機関投資家やヘッジファンドにも利用され、米国株式市場の取引高上位の常連となっています。ETFニュースでは、国内ETF市場にとどまらず、注目が高まる海外ETFの値動きやローンチ情報などETF業界の最新動向をいち早くお届けします。
